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【08.11.24】田中市長の情報公開への後ろ向きな姿勢をさらけ出した情報公開条例の「改正」案
「権利の濫用」を入れるのは、公開請求者をどう見ているかを露骨に示すもの
12月議会に提案される予定の情報公開条例の「改正」は読めば読むほど問題が多いものです。
田中市長はこれまで情報公開条例の改正には全く後ろ向きでしたが、今回の「改正」案ではそれをさらに進めるような内容です。
そのことを端的に表しているのが第4条の「利用者の責務」で、これまでの「この条例により保障された権利を正当に行使しなければならない」という規定を「この条例に基づく公文書の公開を求める権利を濫用してはならない」と「改正」したことです。
これまでの「権利を正当に行使しなければならない」という規定は、権利の濫用を戒めるものであり、わざわざ条例「改正」する必要のないものです。
それをあえて「権利の濫用」を入れるのは、公開請求者をどう見ているかを露骨に示すものです。
今回の「改正」では、三重県の情報公開条例に合わせた「改正」が多く見られますが、私がこの間、指摘してきた三重県や周辺市に合わせ市民の立場でより良い条例にするための改正は1つも盛り込まれていません。
県の条例を参考にしながら私の指摘は一切、盛り込まれず
私が求めたのは、1つは条例の目的に「知る権利」を入れる問題です。県の条例では「県民の知る権利を尊重し」という規定がされていますが、市の条例にはありません。
2つ目は、「公文書」の規定で県の条例は、「職員が職務上作成し、又は取得した文書(以下省略)であって、当該実施期間の職員が組織的に用いるものとして、当該実施期間が保有しているもの」としているのに対して市の条例は、「決裁、供覧の手続きを終えたもの」に限定されているのです。
つまり、県は決裁のいかんにかかわらず、組織的に用いるものとして保有している文書をすべて対象としているのです。
3つ目は、公開請求をできるものが県の条例では、「何人も(住所は問わない)」と規定されいますが、市の条例では「市内」に限定されています。
三重県だけでなく四日市市、鈴鹿市、津市などの周辺の市では当たり前のことになっている
4つ目は、個人に関する情報について県の条例では、「公にすることにより当該個人の私生活上の権利利益を害するおそれがある」場合に限定していますが、市の条例では「公開することにより、特定の個人が識別され」るものは非公開とされます。
これによれば、公務員が職務として行ったことでも市の条例では「特定の個人が識別」されれば非公開になってしまいます(過去の私の請求した文書でもこうした事例がいくつかありました)が、県の条例では「私生活上の権利利益を害するおそれ」がなければ公開される場合があるということです。
そして最後が費用負担(金額は条例では規定がないが・・・)ですが、県はコピーは白黒で1枚10円となっていますが、市ではなぜか白黒で1枚20円もします(先日、わかったのですが図書館のコピー代も同じ20円)。
以上の5つのことは三重県だけでなく四日市市、鈴鹿市、津市などの周辺の市では当たり前のことになっているのに、亀山市だけがこれまで改正してこなかったものです。
今回、県の条例を主に参考にして「改正」案をつくったようですが、市民の知る権利を保障し、市民に情報をより公開する改正は全く手がつけられずに、市民の知る権利を制約するおそれがある(または市の仕事がやりやすい)ものだけ「改正」しています。
今回の条例「改正」は、読めば読むほどひどい内容であり、田中市長の情報公開への後ろ向きな姿勢が露骨に現れた内容となっています。
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