<< 活動日誌の目次に戻る
【08.11.07】デリバリー給食 自己管理能力とは「好き嫌い」をする力か?
冷たいおかず 暖かい料理を20℃まで急速に冷却する
自衛隊の空幕長が「我が国が侵略国家だったというのは濡れ衣」などかつての侵略戦争を美化する論文を執筆した問題で、首相や防衛相らは「立場が立場だから適切ではない」と言いましたが、これはこうした歴史認識が誤っているから問題だと言うのではなく、「(立場上)思っていても言ってはいけない」という意味でしかありません。
こんな認識では、これからもこうしたことは起きることになります。
さて、昨日は亀山市が来年1月から試行的に中部中学校で実施するデリバリー給食を先駆けて実施している桑名市を視察し、担当職員から話を聞きました。
制度導入への経緯や実施方法などの説明を受けましたが、目にとまったのが今年7月に実施された生徒へのアンケート調査結果です。
給食の内容で「悪い」、「不満」の理由で多いのが、「冷たい(おかず)」、「肉の脂が固まっている」、「野菜の新鮮みがない」という点です。
これは朝早くから作った暖かい料理を9時頃に20℃まで急速に冷却し、食べるまで保存するためこうした意見が出るのです。
料理というのは、どれだけおいしく作っても暖かいうちに食べないとおいしくないのは当たり前です。
「暖かいうちに食べる」という「食」にとって一番大切なことを奪ってしまう給食がいいはずがありません。
究極の「好き嫌い自由」の給食
また、「何を基準に給食を選ぶか」という問いに「好き嫌い」と答えた生徒が85%にもなり、「残さず食べるか」という問いには、「嫌いなものは残す」と答えた生徒が半数を超えています。
つまり、小学校の給食なら嫌いなものでも他に選択肢がないので食べることもありますが、デリバリーはまず、メニューで選べてさらにそれでも嫌なら(好きなものを入れてもらえる)弁当という選択肢もあるということで、究極の「好き嫌い自由」の給食となります。
桑名市の給食検討委員会の答申の骨子にある「食生活における自己管理能力を育てる」とは「好き嫌いの自由」ということだったのかと質問しました。
担当者は7割の生徒が注文をしているということは、かなり嫌いなものも食べていると思うと答えましたが、弁当も選択できる上にアンケートでも「給食になっての変化は」という問いに、「嫌いなものが食べられるようになった」というのがわずか4%しかないのでは答えになっていません。
今回は視察の一部しか報告できませんでしたが、2時間に渡る視察の中でやはりデリバリーはやるべきではないという思いを強くしました。
<< 活動日誌の目次に戻る