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【08.09.19】決算特別委員会が終わった 独自の財政資料で企業誘致の財政効果を議論
市税収入と密接な関係にある地方交付税と合計した額を比較のベースに
新聞などの報道では10月26日投票で総選挙が濃厚になったとのことです。
これだけひどい政治の中身をどう変えるのか、どの党が伸びれば暮らしが良くなるのか、日本共産党にとっても正念場です。
さて、昨日、今日と2日間に渡って決算特別委員会が行われ、市長は今議会で税収が大幅に増えて豊かになったということを強調しますが、亀山市の財政はどんな状況なのかを独自の資料をつくって質疑をしました。
市長は誘致前の平成15年度の市税収入が亀山と関とを合わせて(この時点では合併していないが比較のため合計した数字を使用)70億円ほどだったのが、平成20年度予算では倍の140億円にもなっているということを様々な場で強調してきました。
市税だけを見ればその通りなのですが、私が指摘したのは平成15年度から19年度の間に地方交付税が不交付団体に変わったこと(17年度から)、旧関町との合併が行われたこと(平成17年1月)という2つの大きな変化あり、15年度をもとに比較をするのであれば市税収入と密接な関係にある地方交付税と合計した額−約98億円をベースに比較をすべきだとして表をつくり理事者側と議員に配布して指摘しました。
現時点で45億円の奨励金の支出に見合った財政的な効果があったとは言えないのが現状
さらに納められた税金から奨励金として支出する分もマイナスして手元に残る実際の市税額を計算すべきだとし、15年度から19年度までの比較をしてみました。
そうすると15年度が約98億円、16年度が約99億円、17年度が約97億円、18年度が101億円、19年度が123億円となり、ずっと横ばいだったのが19年度にようやく20億円ほど増えたという結果になりました。
つまり、市税だけを見れば5年間で2倍近くに増えていますが、地方交付税は税収が少ない場合(正確にいえば基準財政需要額より基準財政収入額が少ない場合)に交付され、税収が多くなれば交付されないという関係にあるので、地方交付税も入れた市の財布の中身を比較しなければ正確な比較とは言えません。
この私の資料に対して、財政担当部長は否定することなく1つの見方であることを認めました。
さらに、先ほど15年度と比較して19年度には20億円ほど増えたと言いましたが、すでに45億円奨励金を支出していますので、これからそれを取り戻さなければなりません。また、誘致によって新たに発生した事業も道路関係だけでも10億円以上あり、この分も取り戻さなければなりません。
こうして見てくると現時点で45億円の奨励金の支出に見合った財政的な効果があったとは言えないのが現状です。
一私企業に多額の奨励金を出すことが問題
最後に市長に「市税収入だけを取り上げて効果があったというのは正確ではない」と質すと、市長は「あなたが効果がどこにあるというからこういう言い方をしている。政治的な発言だ」という趣旨の答弁をしました。
今回作成した財政資料は、市税だけに着目した議論が多い中で全く違った角度からの財政分析資料として大きな反響を呼んだようで、当初、資料が配布されなかった市の出席者からも「資料が欲しい」という声が上がるほどでした。
特別委員会では、一般会計と国保会計の決算の認定に反対しましたが、討論で「奨励金の支出に対して財政効果が問題ではなく、この条例をつくった時にも指摘したが、もともと一私企業に多額の奨励金を出すことが問題。多額の利益を得た企業がたくさんの税金を納めるのは当然のことで、そのことで奨励金を出すことは問題だ」と指摘しました。
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