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【08.08.08】関中の改築 校舎建築に「独創性」がそんなに重要とは思えない

校舎建設で最も優先されるべきは機能面

独創性が評価された、一見、学校とは思えない改築案北京オリンピックが始まり、サッカー男子が昨日アメリカと対戦したが、残念ながら負けてしまいました。
都合で前半しか見られませんでしたが、得点できる決定的な瞬間がありながらそれを逃したことが響きました。
女子もそうでしたが、大きな大会になればこうした決定的な場面で得点できなければ勝てないのです。
こうした弱点は、何が原因なのか子どもの頃の指導にまでさかのぼって研究する必要がありそうです。
さて、関中の改築については先日も書きましたが、教育委員会の資料の中で「改築設計者審査委員会」の「審査講評」というものがあります。
5名の審査委員が出したこの文書に「個別講評」というのがあり、最優秀提案者を選定した理由などが書かれています。
その中で気になったのが、次点とされた提案に対する評価です。

次点の案は「問題の少ない完成度の高い提案だが、独創性がない」からダメ

提案の1つ「加太のヒノキを使う校舎」内容をそのまま紹介すると、『教室の採光と通風に配慮した計画であり、快適な環境のあり方を示した。学校全体を見渡せる管理諸室の配置、中庭部分の交流広場を核に広がる学習空間のあり方も緻密に検討されており、機能面においては予想される検討課題の少ない案である。木の使い方については、各棟で適切な構造形式が選択され、全体として完成度の高い提案である。しかし、独創性の観点での評価が伸びず、次点となった。』と書かれています。
つまり、「機能面(使いやすさ)では問題の少ない完成度の高い提案だが、独創性がない」からダメだというのです。
一方、最優秀提案者への評価は、『関中学校の立地条件でこそ成立する独創的な案であり、地域に根ざした学校環境整備に向けた期待が大きい。なお、業務委託に当たっては、提案内容の考え方を活かしながら、管理部門の配置、改築部分の想定規模、地元産の木材確保の精査が望まれる。』と「独創性」を高く評価しながら、建築に当たっては検討が必要な課題が多いとされています。

デザイン−独創性を優先した校舎建設の弊害は過去にある

1階の教室と多目的ホールなど教育委員会は、保護者や教職員の意見を十分に聞くべきだという私の意見に、地震などへの不安から早期の建設が求められているので十分な時間がとれないと答弁しています。
それだったら建築に当たっては検討が必要な課題が多い案(最優秀提案者)より、「完成度の高い、機能面においては予想される検討課題の少ない案」(次点)を採用すべきではなかったのか、はなはだ疑問です。
改築される前の西小学校の校舎ができた当時、「モダンなデザインの校舎」として高い評価を得ましたが、使い勝手が悪く改築の理由になったことを思い出すべきです。
さらに改築された西小でも、これまでは道路から運動場が見渡せたのを「多聞櫓との整合」(デザイン面)とかいう理由で、土塀がつくられ運動場が全く見えなくなり、大きな批判が出たのは記憶に新しいところです。
校舎建築に求められるのは、まず機能面で優れていることであって、デザインなどが独創的であることは「決定打」にはなり得ないと思うのですが、みなさんはどう考えますか?

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