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【08.04.16】設計金額の事後公開を求め、情報公開審査会に意見書を出す
高齢者だけでなく医療機関も怒る高齢者医療制度
後期高齢者医療保険の保険証を見て驚きました。
名前も被保険者の番号も本当に小さいのです。
ある医療機関でこんな保険証を誰が考えたのかと怒っていましたが、まさにその通りです。
75歳以上の人しか加入しない保険なのに、この字の大きさは何なのか、このこと一つをとっても国の制度設計がいい加減であることがわかります。
また、この医療機関では患者さんがいくつもの保険証を持ってきてどれが使えるのかという問い合わせが多いと言っていましたが、本当に大混乱のようです。
さて、3月議会で市が発注する工事の不調が増えていることを取り上げ、設計金額の公開を求めましたが、市は公開しない姿勢を変えませんでした。
先日、市の部分公開(設計金額と工事金額は公開しない)とした理由書が届き、今度の情報公開審査会にそれに対する意見書が出せるので早速、つくり今日、提出しました。
このHPで意見書を紹介しますのでお読みください。
歩切りにより設計金額と予定価格に大きな開きがあるため、設計金額の事後公開はしたくないのか
部分公開理由説明書に対する意見書
2008年4月16日
亀山市情報公開審査会
会長 中山 敬規 様
服部 孝規
1,異議申し立ての趣旨について
最近、亀山市の発注する工事の入札で不調が目立っており、その原因の究明が急がれている。そのためには設計金額が適正だったのか、また、設計金額からみて予定価格が妥当なものだったのかを検証する必要がある。このため、2度にわたって不調となった斎場建設の建築工事について情報公開を求めたが、設計金額と工事金額については非公開とされた。そこで部分公開となった「斎場建設のうち建築に関わる入札結果がわかる資料のすべて」に対する情報公開請求のうち、設計金額の公開を求めるものである。なお、工事金額については、設計金額が明らかになればわかるのでこの異議申し立てではふれない。
2,情報公開を求める意義について
この斎場建設のうちの建築工事は、平成19年11月9日に1回目の入札が行われ、第1回の入札では、指名15社のうち10社が辞退したため5社で入札が行われたが不調となり、同日の再入札でも3社が辞退し、2社のみの入札が行われたがこれも不調に終わった。次に同年11月30日に2回目の入札が行われ、指名15社のうち14社が辞退したため1社で入札が行われたが不調となり、同日の再入札(1社のみが応札)でも不調となった。
こうした事態を受け平成20年2月8日に行われた3回目の入札では、建築工事に土木工事を追加し実施した結果、指名7社のうち3社が辞退し4社で入札が行われ、ようやく白川建設が落札したという経緯をたどっている。
これらの入札で辞退が多かったことや2度も不調となった背景に、田中亮太市長が予定価格の設定にあたって設計金額を大幅に歩切りしており、業者が入札を回避したという声も聞かれる。中には「2割も歩切りしている」と指摘する業者までいる。
このため、斎場建設の建築工事での2度にわたる不調の原因の究明や、歩切りに対する疑義について検証するために設計金額の公開を求めるものである。
3,部分公開理由の誤りについて
市の部分公開理由説明書では、部分公開とした理由として「事後公開すると、今後の同種工事における予定価格をより高い精度で推測される恐れがある」としているが、予定価格を事後公開している亀山市の主張としては全くおかしなものである。市の主張でいけば、予定価格の事後公開こそ「今後の同種工事における予定価格をより高い精度で推測される恐れがあ」りできないことになる。
予定価格は設計金額と同じかもしくはほぼ近似した額で設定されているというのが一般的なのだが、亀山市の場合は歩切りにより設計金額と予定価格に大きな開きがあるため、設計金額の事後公開はしたくないということしか考えられない。
また、三重県をはじめ県内14市のうち9市が事前または事後に設計金額を公開しており、市が言うような問題が生じているという話は聞いたことがない。むしろ、設計金額を公開する自治体が増えているというのが最近の傾向である。こうした傾向は判例にも示されていて最近の例では、青森県三沢市が病院建て替えの設計金額などを非公開としたことに対して決定の取り消しを求めた訴訟で、昨年12月に青森地裁は「いずれも非開示情報には該当しない」と判断し、市側に不開示決定の取り消しを言い渡し、市はこれを受け入れ設計金額などを公開したのである。
さらに、設計金額を事後に公開することの公益性について、兵庫県宝塚市個人情報保護・情報公開審査会が平成18年9月6日の「平成18年度 答申第1号」で次のように指摘しているが、全く同感である。
『設計金額の事後の公開により落札額との比較で適正な価格で設計がなされているのか、正当な理由により予定価格を設定しているのか(この点については、政府が平成18年5月23日に「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」を閣議決定し、その中で「予定価格の設定に当たっては、適正な積算の徹底に努めるとともに、設計書金額の一部を正当な理由なく控除するいわゆる歩切りについては、公共工事の品質や工事の安全の確保に支障を来すとともに、建設業の健全な発達を阻害するおそれがあることから、厳に慎むものとする。」という指導をしている−この注釈は服部が記入)、競争入札制度が公正かつ適正に実施されているかどうかを検証できる機会が市民に保障され、競争入札制度の健全化や透明性を確保することにつながり、よって公益性を図ることができる。』
以上の通り、設計金額を事後公開しても県や県下各市の実情をみても何ら問題はなく、むしろ公開することにより上記のような公益性が発揮され、競争入札制度の健全化や透明性の確保が図られることを考えれば、部分公開とした市の決定の誤りは明らかである。
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