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【06.11.23】文書を残さないという新たな情報隠し? 審査会も厳しい苦言
「異議申し立て」に対する「決定書」と「審査会の答申」が届いた
7月26日のHPに書きましたが、シャープ誘致時に三重県、亀山市、シャープなどが協議した誘致交渉の内容がわかる文書の公開を求めたところ、市が「文書不存在」を理由に非公開としたため、「市にとってこれほど重要な協議の報告文書がないということはあり得ない」という理由で「異議申し立て」を行いました。
昨日、その「異議申し立て」に対する「決定書」と「審査会の答申」が届きました。
結論からいえば、「異議申し立ては、これを棄却する」となっていますが、7ページにわたる「市情報公開審査会の判断の要旨」では、市に対する厳しい苦言が何カ所かにありました。
「条例の改正を急がれたし、との強い意見をここに提出しておきたい」
その1つは、「公文書不存在」を理由に公開しない場合は、その理由を付記すべきであり、今回のように「理由付記」のない決定は、『本決定に形式上の「瑕疵あり」とされても致し方がない。』と述べ、審査会として『「理由付記」などの規定を条項に加えるよう、条例の改正を急がれたし、との強い意見をここに提出しておきたい。』とまで述べています。
こうした立場から審査会は、『審査会委員の適切な発問による職権調査をなすも、実施機関(市)の回答は、終始一貫、「公文書は存在しない」というにとどまった。そこで、当審査会は補足説明後に念のため、実施機関に対し会長名で、非公開理由である「公文書は存在しない」に対する「理由付記」文書の提出を求め』てやっと、市から回答がきたというお粗末さです。
その回答の要旨は、『協議の会合は三重県の主導で開催されていたこと、市は慎重に対処する方が望ましいと判断し、公文書を作成しなかった。また、報告にあたっては担当者の「要点メモ」で口頭報告を行い、報告後、そのメモは廃棄した。』などというものです。
「実施機関の情報公開上の手続き(理由付記)不備に対する遺憾の意を強く表明」
こうしたやりとりを踏まえ審査会は、『実施機関(市)の情報公開上の手続き(理由付記)不備に対する遺憾の意を強く表明しつつ、(中略)不本意ながら、(中略)実施機関の本決定を、相当であって、取り消すまでもない、と認定せざるをえない。』と述べています。
そして最後に審査会は、『行政運営上の文書不作成、決裁・供覧手続の不履行及び担当者要点メモにとどめる扱い等が、(中略)条例制定の目標たる「公文書」公開原則と住民の情報公開請求権の条例保護に照らして、それがどれほど大きな問題であるかについての再認識を、実施機関に対して強く求めたい』という建設的意見を表明して締めくくっています。
この審査会の決定は、今回のような「文書を残さないことによる新たな情報隠し」ともいえるような行為に、怒りを持って苦言を呈していると感じたのは私だけの思いこみでしょうか。
この問題については、今後もただしていきます。
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