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【06.09.17】税収増には目が向くがそれを支える労働者には目が向かない
税収増や過去最高の売り上げを支えているのが労働者
昨日は市内ほとんどの小学校で運動会が行われましたが、あいにくの天気で西小は午前中だけで終わってしまいました。
皮肉なことに午後から降ると思われた雨は降らずに、結果的には予定通りできたようです。
さて、一般質問ではシャープ亀山工場での労働実態を取り上げましたが、市の答弁は「実態はつかんでいない」、「報告を受けたり調べたりする立場にない」というもので市が誘致した企業で過酷な労働実態があることが様々なところで明らかになってきているのに、市としてできることを考えるという姿勢もありませんでした。
田中市長は税の増収を自慢しますが、それを支えているのは請負などの青年労働者であり、外国人労働者なのです。
市長の目には増収しか見えず、労働者のことには目がいかないようです。
求人段階で「3ヶ月間の研修」といいながら実際にはなかった
私が一般質問で取り上げた二人の請負労働者の実態を紹介します。
私はこの間、シャープ亀山工場で請負で働いてる人や働いていた人、何人かに会い話を聞きましたので紹介します。1人の青年は学校卒業後、請負で入ったのですが、勤務時間が朝9時半から夜の9時半までの12時間勤務で、この勤務を2日続けてその後3日休み、次は夜の9時半から朝の9時半までの12時間の夜勤を3日続けて2日休むというサイクルです。しかし、定時に終わることは少なく2時間ほどの残業がよくあったということで、仕事中は立ちっぱなしで、給料は手取りで月額14万円程度です。
彼は数ヶ月でやめましたが、その一番の理由は、求人票には「3ヶ月間の研修」となっていたのに採用されるとそれが全くなく、いきなり現場に入り仕事をさせられ、仕事の専門的な知識も教わることもなかったということです。
その上、5人でやる仕事を休む人が出たり、やめる人が出ると少ない人数でこなすこともあり、12時間勤務の中で休憩が4回あっても3回しかとれなかったり、40分の休憩が15分に短縮したりすることがあったようです。シャープ亀山工場の食堂は午後2時半には閉まりますので、この時間までに休憩が取れずに食事を抜いたこともあったといいます。働いていた当時は、正社員用の第1食堂と請負会社などの人のための第2食堂に分かれていて、正社員用の食堂はメニューが豊富ですが、第2食堂はわずかな定食とあとは麺類かカレーしかないという差がありました。この食堂も仕事場から離れていると短い休憩時間では利用できないことや食べるより休みたいということで休憩場所で寝て過ごすことも多かったということです。
学校を出てすぐの青年に研修という教育もせずにいきなり現場に入れるというやり方では長続きしない
また、やめた人のかわりが入ってくると仕事も十分に覚えていない彼が、その新人に仕事を教えなければなりません。
こんな仕事に疲れてしまって数ヶ月後にやめてしまいました。彼は、社会に出て最初の仕事がこんな状態だったため、次もまた働けなくなってしまうのではと不安になり、今も仕事につけないでいます。
もう1人、現在、請負で働いている青年は、将来に不安があるといいます。12時間労働ですが残業でさらに2~3時間働くこともあります。その職場では辞める人も多く、よく人が入れ替わり、自分もいつまで働き続けられるか不安だといいます。そんな状況ですから結婚をして家庭を持つという将来設計が描けません。また、この青年もやはり3ヶ月は研修期間といわれていたけれど、実際にはなかったといいます。
こうした事例が市内でも結構あるのです。特に求人段階で「3ヶ月間の研修」といいながら実際にはないというのはひどい話です。学校を出てすぐの青年に研修という教育もせずにいきなり現場に入れるというやり方では長続きするはずがありません。
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