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【06.02.04】シャープ(株)亀山工場 亀山の人が雇用されるのはわずか数%
収めた固定資産税のうち、9割に当たる額を奨励金として返す
今日の雪にはだまされました。朝からの雪の降り方で午後の九条の会の「戦争遺跡をめぐる」が中止され、夜の別の会合も延期になりました。
ところが昼頃から晴れ間がみえてきて、雪も峠を越したようで中止せずにすんだかもしれません。でも、今年の降り方を考えれば中止という判断にしかなりません。
さて、来年度予算の焦点第2弾ですが、シャープへの奨励金について取り上げます。この奨励金は誘致条件の最大のもので、最高45億円を15年間にわたり、シャープが収めた固定資産税のうち、9割に当たる額を奨励金として返す(交付する)という制度です。
奨励金の交付が目的に照らして効果が出ているかどうか
来年度も十数億円が交付されることになると思いますが、私が常々問題にしているのは、この奨励金の交付が目的に照らして効果が出ているかどうかです。
この奨励金交付の目的は、@就労の場の確保、A市の産業経済の振興及び市民生活の向上に資することです。
@の就労の場の確保ですが、確かに雇用は増えていますが問題はどんな雇用かです。
昨年8月に県がまとめた雇用状況によれば、シャープ(株)亀山工場の総雇用者数−工場内の請負などは含まず、シャープ(株)の雇用者−は1300人で、うち県内の新規雇用者累計(操業開始時からの累計)は約130人(全体の1割)となっており、県内高校新卒者累計は114人となっています。
45億円もの投資をしながら、「費用対効果」の面でも問題
つまり上の数字は県全体ですから、亀山に工場ができても亀山の人が雇用されるのはわずか数%でしかないということです。
シャープ亀山工場内の請負や派遣などの協力企業を含めて約3300人が雇用されていますが、そのうち2000人以上は請負、派遣など不安定雇用の労働者です。
これで「雇用の場の確保」といえるのでしょうか。さらに、市内産業経済の振興や市民生活の向上などはごく一部であり、多くの市民の実感としてはほとんど「効果が感じられない」ということです。
45億円もの投資をしながら、こうした実態では「費用対効果」の面でも問題です。
こうした十数億円という奨励金の支出が、本当に有効な予算の使い方なのか十分に検証しなければなりません。
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