<< 活動日誌の目次に戻る
【05.10.31】「国民保護」という名の戦争動員体制づくり
米軍や自衛隊がどんな軍事行動をするのかわからないのに・・・
今年も残すところ、あと2ヶ月となりました。11月には年賀状をつくり、12月には年越しの準備をしなければなりません。1年があっという間に、過ぎてしまいます。
さて、みなさんは『国民保護法』という法律ができたのをご存じでしょうか。
これは「武力攻撃事態法」(03年6月成立)に基づき、04年6月に成立した法律で、正式には「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」といいます。
この法律に基づき、今、都道府県で国民保護計画の策定がすすめられ、来年度には市町村でもこの計画を策定しなければなりません(「法定受託事務」でこれをつくることを拒否できない)。
一見、「備えあれば憂いなし」でいいことのように思いますが、実は「武力攻撃(外国部隊の上陸侵攻、特殊部隊の攻撃、核や生物、化学兵器を含む弾道ミサイル攻撃など)から国民を保護するための避難・救援」を名目に、国民・自治体・民間を戦争に強制動員するためのものなのです。
病院や学校、公民館などの施設を米軍や自衛隊に提供
例えば、この法律では病院や学校、公民館などの施設を米軍や自衛隊に提供したり、医療関係者や輸送業者などを動員する計画の策定も自治体に義務づけられています。
また、避難・救援といってもこれまでの戦争の歴史で明らかなように、戦争状態での「住民の保護」は、軍事行動が優先され、「国民の保護」は全く保証されません。
さらに、「指定公共機関」を指定し、その中に電力会社、NTT、バス、鉄道会社などが含まれていますから、これらの会社と労働者を動員する計画もつくられます。
こんな法律や計画をつくるより平和外交を
今日、党市議団で市の担当者に話を聞きましたが、いくつも問題点があります。
まず、攻撃を想定して避難などを計画するのですが、その攻撃がどんなものなのか、どこで起こるのか全く想定できません。政府でさえ「一概にいえない」といっているのですから、計画の立てようがありません。
次に、避難計画などを県などは自治体がつくっている自主防災組織や防災計画を使うといっているようですが、それならわざわざこんな計画をつくらずとも、避難・救援の仕組みはあるわけです。
さらに、こうした自治体や住民にとって重大な計画が議会の審議なしにつくれるという仕組みになっています。
日本は今、靖国問題や戦争を美化する教科書問題など世界、とりわけアジア諸国から警戒の目で見られています。私はこんな法律や計画をつくるより、「平和外交を柱とした」外交こそ必要だと思います。
そのためにも早く、小泉さんには退陣して欲しいものです。
<< 活動日誌の目次に戻る