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【05.02.28】三重地方自治研究会でシャープ問題を報告しました
シャープ誘致でどんなまちづくりをするのか
26日に津市で三重地方自治研究会2月例会があり、「亀山市へのシャープ進出とまちづくり」と「旧関町のまちづくり(町並み保存)」をテーマに2つの報告に基づき討議しました。
私はシャープ亀山工場誘致に至る経過と誘致後の亀山市での変化、問題点を詳しく報告しました。
特にまちづくりにかかわってタクシー会社、ホテル、大型店など大手資本が相次いで進出し、地元の事業者が苦境に立っていること、ワンルームマンションが2年前との比較で26倍の部屋数(1288室)になり、乱立するマンションのゴミ問題、ころころ入れ替わる短期の入居者問題などで自治会が大変困っていることなどが新しい問題として生じてきています。
雇用の場は増えたが、その大半は派遣や請負
さらに雇用の場が増えましたが、その大半が派遣や請負といった不安定雇用のため定住に結びつかず、その一方で外国人労働者が急激に増え、県内でもその比率が1位の市になったこと、さらに、財政面でシャープへの奨励金支出の大幅な伸びでここ数年は、財政が大変なことなど亀山市にとって大きな変化があらわれています。
シャープの誘致で地元産業の活性化をねらったのですが、IT産業は下請け企業の裾野が狭いことやシャープが「技術のブラックボックス化」をすすめているため、情報漏れを防ぐ意味で液晶生産に必要な部材の調達企業を増やさないことなどが地元企業がシャープの仕事を受けられない背景となっていることが日本経済新聞でも指摘されています。
こうしたことを考えると、シャープを誘致したけれど雇用の場の確保や産業の育成がねらったような効果をあげていないことがわかります。
市民の声やもともとある産業や企業を活かせるまちづくりを
まちづくりは、市民の願うまちの姿に向けて市民が中心になって行うものです。
市民の求めるまちづくりは、新市まちづくり計画の「市民の声」として10人中6人が選んだ「心あたたまる福祉のまち」(1位)であり、4割近い人が選んだ「豊かな自然とともに生きるまち」(2位)です。
ある日突然、北川前県知事のトップセールスで“降って湧いた”企業誘致によってまちづくりをすすめるのではなく、市民の声やもともとある産業や企業を活かせるまちづくりを考えるべきではないでしょうか。
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