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【05.02.21】競争の激化では学力は伸びない
「学ぶ姿勢と意欲」が国際調査で最下位レベル
日本の子どもの学力低下が問題になっていますが、先日、中山文科省は、「競い合う教育をしないといけない」と語っていますが本当にそうでしょうか。
新婦人しんぶん(2月10日付)に村山士郎大東文化大教授の記事が載っていて興味深く、読みました。
詳しくは書けませんが、村山氏は学力のどの部分が低いのかを見る必要があるといっています。そして学力の低い部分は、調査問題を見ると、練習や習熟によって獲得する学力の部分よりは、ある事柄を分析し根拠を持って説明する問題を苦手としていると指摘します。
もう一つ、「学ぶ姿勢と意欲」が国際調査で最下位レベルにあることが明らかになっていることです。つまりいかにすべての子どもにわかる授業をするかが問われています。
最後に数学的リテラシー(読み解く力)においても読解力においても日本を上回ったオランダを取り上げ、宿題も塾も入試もないオランダの子どもたちの学力が、宿題に追われ塾通いに追われ、入試で悩まされる日本の子どもたちより学力が高かったことを考える必要があると指摘しています。
学力調査トップのフィンランドに学べ
最後に世界の学力調査でトップにあるフィンランドの秘密です。
1つだけ例にとれば、フィンランドの高校卒業認定試験で、「贈与と賄賂(わいろ)との違いについて倫理的な面から比較せよ」とか「人間の尊厳についてカントの理論から説明せよ」というような日本では考えられない問題が出されています。
日本では、すべてマークシートで答えたり、社会も記述して説明する問題がなく、暗記による知識の量をはかるということがほとんどです。
さらに、文科省の資料によればフィンランドはおおむね1学級28〜32人で35人になると2クラスにしており、また、小学校から大学まで授業料は無償、学校で使う教科書への国の関与はないとなっており、日本が学ぶべき点が多くあります。
「競い合う教育をしないといけない」では学力は向上しません。
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